対象会社の議決権の2/3以上の株式を保有している場合に用いる手法です。
全部取得条項付種類株式とは、会社が強制的に全部を買い取れる付帯条項が付いた種類株式のこと。この手法ではターゲットとなる株主の株式に全部取得条項を付けて買い取り、スクイーズアウトさせます。しかし、スクイーズアウトのターゲットとなる特定の株主の株式だけに全部取得条項をつけることはできません。
そこで、①種類株式発行会社に移行し、発行済の普通株式のすべてに全部取得条項を付けます。②その全部取得条項を付けた普通株式を会社が取得します。その際の対価として、普通株式複数株に対して1株のX種類株式を与え、特定の株主が取得するX種類株式を1株以下の端株になるように調整します。③取得するX種類株式が1株以下の株主には株式が与えられず、会社がその端株を現金で買い取ってスクイーズアウトさせます。こうした一連の手続きは株主総会での特別決議（議決権の2/3以上で可決）により行います。